【現役ソムリエが学ぶ】モルドバ共和国ってどんなとこ?

 

 

こんにちはー!Romaです。

 

本日は、現役ソムリエが学ぶ、モルドバ共和国ってどんなとこ?についてお話ししたいと思います。

 

 

【こんな方に読んで頂きたい】

・世界の多種多様なワインに興味がある!

・そもそもモルドバって聞いた事無いけど、どこにあるの?!

 

 

ソムリエ試験の範囲にもなっているモルドバですが、私が受験した時にはまだ教本に載っていませんでした。

 

 

今回改めて、モルドバ共和国について学習をしましたので、以下の3つのポイントに沿ってお話をしていきたいと思います。

 

 

①モルドバ共和国の苦難な道のり!

②モルドバはワインラヴァーの約束の地!

③発端はモルドバ?幸せを運ぶコウノトリ!

 

 

試験対策用の解説は他のwebページでも沢山出ていますので、ここでは私の興味が出た所を、独自の目線で解説させて頂きます!

 

教本からでは無い情報も沢山盛り込んでますし、今回はソムリエ試験対策として書いている記事ではありません!

ソムリエ受験生の皆さんには、そこんとこをご理解のうえ、勉強の箸休めに軽い気持ちで愉しんで頂ければ幸いです!

 

 

では、早速いきましょう!

 

 

 

①モルドバ共和国の苦難な道のり!

モルドバ共和国は、黒海の近く、ルーマニアとウクライナに挟まれた南東ヨーロッパに存在します。

 

1991年のソビエト連邦解体に伴って独立をした小国で、九州の約8割の国土に、現在は約360万人が住んでいるそうです。

 

 

バッカス様
バッカス様

首都は、中央部のコドゥル地方にあるキシナウじゃぞ!

 

 

まずは、モルドバ共和国がどういう所なのか、地図を見ていきましょう。

画像出典:モルドバワイン公式ページより

 

IGPと言うワイン法で指定されている地域は3つですが、実際は、北部、中央部、南部、南東部の合計4の地域が存在します。(北部のみIGPには認定されていない)

 

 

経済面ではヨーロッパ最貧国と言われているそうですが、物価が安いので旅行で行くには良さそうですね!

 

 

 

また、私は初めて知ったのですが、2000年代前半に一世を風靡した「恋のマイアヒ」を歌っているO-Zoneは、モルドバのアーティストだそうです!!

 

 

 

 

 

 

 

↑皆さん、「のまネコ」を覚えていますか?笑

 

 

 

ヨーロッパ最貧国と言われながら、陽気なラテン系の性格をも持ち合わせるモルドバ。

その人間性は、歴史を紐解く事で理解が出来ました。

 

 

次は、主な要点だけを年表にまとめましたので見ていきましょう!

 

歴史

ワイン関連

BC

ダキア人が暮らしていたこの場所に、ローマ人が加わり独自の文化が形成される。

AD 271年、ローマ軍は撤退)

ワイン造りはダキア人により、国家建国前の約5000年前から行われていた。

AD14世紀〜

1349、ボグダン1世がボグダニア公国を建国

※注1

1457年に即位したシュテファン大公(~1504年)によってワイン造りが最も盛んになる。

この時代にパハルニックと言うワインに関する役職を定めた。

1512年から300年間、オスマン帝国に占領される。

オスマン帝国の支配下でワイン造りが停滞。

AD19世紀~

1812年、東部ベッサラビア地方がロシア帝国と併合。

ロシア帝国との併合により、ワイン造りも再び盛んになる。

多くをロシア帝国に輸出。

1859年、西部モルドバ公国はワラキア公国と合併し、ルーマニア公国が建設。

AD20世紀~

1918年、東部ベッサラミア地方が独立し、ルーマニアと統合。

ソ連樹立後の1940年、独ソ不可侵条約により東部ベッサラビア地方をソ連に返還。

※注2

1980年、ゴルバチョフ政権時、禁酒政策が発令され、14haの葡萄畑が破壊行為により消滅。

1991年、ソ連崩壊と共に東部ベッサラビア地方が独立し、現在のモルドバ共和国となる。

モルドバ独立後も、全生産量の50%以上はロシアに輸出ていた。

2006年、ロシアは突如、モルドバワインの輸入を禁止。

取引価格の暴落により、多くのワイナリーが破綻。

2013年にも、ロシアは輸入禁止を強化。

※注1 外務省の基礎データを参考にしました。ソムリエ教本では1359年建国となっていますので、注意して下さい。

 

 

 

※注2にある、「独ソ不可侵条約」って言うのが全く全然さっぱり分かりませんでしたので、ここで深掘りをする事にしました。

 

【深掘り】独ソ不可侵条約について

 

ドイツのヒトラーソ連スターリンが結んだ条約で、ドイツとソ連は「お互いに領土を侵すことのないよう約束しましょう。」という条約。

 

ドイツは、[西側にイギリス&フランス、東側にソ連]ソ連は、[西側にドイツ、東側に日本]と敵対している。

 

この条約によって、「互いに挟み撃ちを警戒しなくてよくなる」と言うメリットが生まれ、ドイツはお隣のポーランドの侵略をはじめた。

 

ポーランド侵略後は土地を折半する約束をしていたソ連が攻め入った結果、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告をし、第二次世界大戦のトリガーとなった。

 

 

一時休戦の条約ですね。

漫画キングダムで李朴が合従軍を起こした時に

各国と結んだ「盟(めい)」みたいな感じです^^

 

 

振り回されまくっているモルドバ目線で見ると、この条約のせいで黒海に隣接していた土地を略奪され、完全な内陸国となったそうです。

 

約3世紀に渡ってローマ人に征服されてきたと言う点から、ラテン系の国民性を持つ事が結び付きました。

そして何より、アジアとヨーロッパに挟まれたその土地の歴史は、苦難の連続だった事が目に見えて分かります。

 

また、モルドバのGDPの3.2%をワイン産業が支えるなか、全生産の50%以上はロシアへ輸出をされていました。

 

そんな中、ロシアが急にモルドバワインの輸入を禁止した事により、経済を守るためにもワイン産業の改善が急務となっているそうです。

 

現在、モルドバはアメリカやEUの協力を元に、ロシアに輸出していた安価な日常ワインよりも高品質なワイン生産への転換が進められているそうです。

 

 

反ロシア姿勢を強めた背景があったそうですが、

巨大な力を持った嫌がらせは小国を潰しかねません。

 

 

主要貿易国がロシアとEU非加盟国のウクライナでしたので、モルドバもEUに加盟せずに中立を保っていましたが、

 ・ロシアからは輸入シャットダウン

 ・お隣ウクライナは最近はEU加盟を目指すと表明している

と言う現状の中、今後はどうするモルドバ公国!!

 

 

バッカス様
バッカス様

ワイン好きのワシとしては、

是非とも頑張って欲しいぞよ!

 

 

②モルドバはワインラヴァーの約束の地!

古来より、モルドバの人々はワインとの関わりも深く、お酒が大好きな国の1つ。

国民のアルコール摂取量は、全世界で、なんと第2位です!

 

 

World Atlas調べ

 

 

また、個人消費用なら敷地面積15アール以内であれば、登録や申請は一切不要でブドウ畑を所有できるそうです。

 

 

家庭用ワインはジョージアでも認められています。

ジョージアもソ連から独立した国ですので、何かと関連性を強く感じます。

 

 

個人所有が可能なブドウ畑の広さ、15アールが私には全然想像もできなかったので実際に計算してみました。

1アールは、10m × 10m。

10アールは、1ヘクタール。

15アールは、1.5ヘクタール(150m × 150m)となります。

申請無しで個人所有が出来るブドウ畑としてはかなり広いですよね!

 

 

バッカス様
バッカス様

続いて、15アールの土地から実際に何本の

ワインが生産できるのかを見てみるぞ!

 

 

例えば、誰もが知る、世界最高価格のロマネコンティの場合・・・

 

 

ロマネコンティは、ソムリエ教本によると1.77ヘクタールの畑から41ヘクトリットルのワインが生産されます

41ヘクトリットルは4100リットルなので、750mlのワインが約5500本。

 

これに、モルドバ家庭用ワイン栽培面積を照らし合わせてみると、1.5ヘクタールの畑からは、約34.7ヘクトリットルのワインが生産されます。

34.7ヘクトリットルは、3470リットルなので、750mlのワインが、なんと4630本!!

 

モルドバでは、少なくみても年間4600本のワインを作っても何の申請もいらないと言う事が分かりました!

 

品質を最優先するために収穫量を減らしているロマネコンティの比率を照らし合わせてもこの生産量ですから、普通に作ると5〜6千本くらいは余裕で作れそうですね。

 

あくまで敷地面積15アールの制限ギリギリで仮定しているので、現実にはかなり裕福な家庭でないとここまでブドウ畑を所有することは出来ないんではないでしょうか?

 

とはいえ、モルドバの人々は気の置けない集まりに自家製ワインをふるまう習慣があるそうですので、大半の人が家庭用ワインを作って楽しんでいる様子が想像できます。

 

 

続いて、モルドバのワイナリーについて少し見て行きましょう!

 

 

驚きましたが、世界最大としてギネスブックに認定されているワイナリーはモルドバにあるそうです。

 

ミレスチ・ミーチ・ワイナリーと言うワイナリーで、全長約200kmのワイン地下貯蔵庫に150万本以上ものワインが眠っているそうです。

200kmと言うと、直線距離で大阪⇔名古屋間以上の距離がありますが、移動はどうしてるんでしょう?

まさか、地下貯蔵庫に車でも走ってるんでしょうか?(笑)

その他にも、プルカリや、ロマネシュティと言った名ワイナリーがあり、土着品種からヨーロッパ顔負けの長期熟成型グランヴァンも作っているそうです。

 

 

【プルカリ公式動画】美しい畑の様子を是非ご覧下さい。

 

 

バッカス様
バッカス様

ググってたらモルドバワイン専門店も見つけたぞよ。

 

【モルドバワイン専門店】

http://moldova-market.jp/index.html

 

 

世界最大のワイナリーがあり、国民は自家用ワインを仲間と愉しむ。

ワインラヴァーにとっては、まさしく約束の地ではないでしょうか?

 

③モルドバ発端?幸せを運ぶコウノトリ!

ソムリエ教本を読んでいると、以下のような内容がありました。

 

シュテファン大公の時代(15世紀)、苦戦を強いらていたある戦で立ち上がれなくなった戦士に、一羽のコウノトリが1房の葡萄を与えた。

 

これによって活力を取り戻した戦士は戦での勝利を納め、以来、コウノトリと葡萄のモチーフを、数多くのワイナリーで使用されている。

 

日本でも、コウノトリは幸せを運ぶイメージがあります。

赤ちゃんを運んでくるイメージは誰もが知る所と思いますが、埼玉県鴻巣市(コノス)には、古くから伝わる独自のコウノトリの伝説があり、コウノトリを祀られた神社があるほど。

 

なぜ、遠く離れた異国の地で、同じように幸せをイメージし、コウノトリを崇めているのか?

 

 

ワインとは大きく外れますが、気になったので今回はこちらのポイントを調べてみました。

 

【深掘り】コウノトリ伝説について

 

日本のコウノトリは、ヨーロッパで言うシュバシコウの事を指します。

(厳密にはクチバシの色が違うそうです。)

 

シュバシコウは、オスメスが共同で仲良く雛を育てていくそうで、とても幸せそうなその様子から、ドイツやベラルーシ、リトアニアの国鳥となり人々から愛されているそうです。

 

日本で「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」と言うのが定着したのは、19世紀のアンデルセン童話「沼の王の娘からと言われています。

 

アンデルセンさんはデンマーク生まれですので、「コウノトリ = 幸せなイメージ」と言うのは、この時代にヨーロッパから入ってきたものと考えられています。

 

 

探してみると、幸せの象徴コウノトリを題材とした作品が、

中世ヨーロッパの時代から数多くあるのかも知れませんね。

 

 

モルドバワインを見つけた時は、「コウノトリと葡萄」のモチーフを探し、エチケットを眺めてみるのも、良い余興になるかと思います。

 

 

 

 

 

まとめ

 

①モルドバ共和国の苦難な道のり!

アジアとヨーロッパに挟まれたモルドバは、過去に沢山の侵略戦争に巻き込まれていた事もあり、ヨーロッパ最貧国とも言われている。

近年、最大貿易国であったロシアがモルドバワインの輸入を突如禁止。これを機に、EUやアメリカに助言をもらいながら、高品質ワイン造りへの転換を進めている。

 

 ②モルドバはワインラヴァーの約束の地!

モルドバは、大量の自家用ワインの生産が認められている。

また、ギネスにも認定されている世界最大のワイナリーもある。

他国のグランヴァン顔負けの高品質なワインも増えてきており、モルドバはワイン好きには楽園かも知れない!(笑)

 

 ③モルドバ発端?幸せを運ぶコウノトリ!

「コウノトリ = 幸せ」のイメージは、ヨーロッパから来たものであった。

モルドバには、古くから「コウノトリと葡萄」伝説があり、今でも多くのワイナリーがこのモチーフを自身のワインに使用している。

 

以上となります。

 

今回は、「現役ソムリエが学ぶ、モルドバ共和国ってどんなとこ?」についてお話をさせて頂きましたが、如何でしたでしょうか?

少しはモルドバと言う国について興味を持って頂けましたか?^^

私自身は調べる中でかなり興味が湧き、いつか訪ねてみたい場所の一つとなりました。

 

今回は割愛しましたが、モルドバには「黒い乙女」や「高貴な乙女」などの意味を持つ、変わった土着品種が存在します。

 

まずは、これらの品種を使ったモルドバワインを自宅で愉しみながら、その背景に思いを馳せてみたいと思います。

 

 

今回も、最後までご覧下さりありがとうございました。

 

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この記事を書いた人

こんにちはー!RomaとMilanoです🐱

「ワインと料理をもっと自由に、もっと愉しく」をテーマに、時には感動を産むことさえあるワインと料理の世界を分かりやすくご紹介いたします!

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